Column
英国産ビーフ&ラム
~ 英国・湖水地方 視察旅 Vol.2 ~
AHDBの取り組み
AHDB(農業・園芸開発委員会)はサプライチェーンに属する農場経営者、生産者などの資金提供で運営されている法定賦課公社。英国の食肉・家畜(牛、羊、豚)、また英国の園芸、牛乳、ジャガイモ、穀物、油糧種子など全英で10万を超える農業・サプライチェーン企業を支援している。全国で100名を超える地域担当者が、それぞれの地域の生産者や食品加工業者と協力し、研究や知識の交換、マーケティング、輸出などあらゆる面でサポートすることで、生産性向上に向けた環境づくりに貢献している。
英国産牛肉・羊肉の品質の高さを理解してくれる市場を拡大
AHDB戦略開発部ディレクター アンジェラ・クリスティソン(Angela Christison)
2019年1月に日本への英国産牛肉・羊肉の輸入が解禁となった。日本のお客様は品質を重視しており、厳しい目で見られていると自覚している。そのため、我われは責任を持って日本市場が求める厳しい基準を満たしていきたい。もとより、産業全体では環境への配慮や品質向上に向けた努力を続けており、英国産牛肉・羊肉は非常に高い基準で生産・加工されている。こうした英国産牛肉・羊肉の品質の高さを理解し、受け入れてくれる市場をよりいっそう拡大していきたい。
また、英国では牛肉・羊肉のみならず、放牧で飼育された豚肉もあり、これも差別化できる商品だと認識している。今後、輸出拡大に向けたプロモーションを展開していきたいと考えている。それと同時に、例えば日本市場では需要の高い牛タンなど、市場ごとにニーズを見極めながら、バランス感を持って輸出拡大を図っていく。
写真 ©AHDB
今回の視察を通しても、AHDBのスタッフが生産農家に寄り添い、飼料や畜種の改良などを手厚くサポートしているようすが伺えた。地域の特性を見極め、農家それぞれに合った方法をともに模索し、実践することで、生産性の向上、さらには持続可能な畜産を実現する姿を見ることができた。また、輸出に取り組む企業とも連携し、輸出市場のニーズの把握、プロモーションやマーケティング活動を通じて、さらなる輸出拡大を後押ししていきたい方針だ。
文・食品産業新聞社・畜産日報部 石田氏